« 祈り | メイン | 入院までのこと 2 »

2004年07月25日

入院までのこと 1

あーちゃん入院して2週間になりました。長いような、あっという間だったような。病気が分かる前の1週間、明け方になるとおっぱいも何も受け付けないほど激しく泣き出したり、昼間私の姿が見えなくなるとぐずぐずと泣き出したり、首が右に傾いていたり、さかんにしていた寝返りやズリ這いをあまりしなくなったり、腰が据わっている癖にふらついてちゃんとお座りでちなかったり…おかしいなぁと思っていたこれらは全て脳腫瘍の症状だった。
子供の頭は骨の隙間が大きいので、腫瘍がある程度大きくならないと症状はでにくい。症状というのは、腫瘍が脳を圧迫することででてくる運動障害(バランスが取れない、座れない、歩けない、よく転ぶ、麻痺)、腫瘍が頭蓋を満たしている随液の通り道を塞ぐことで水頭症になり、頭蓋内圧が上がる(吐き気、痙攣、意識を失う)など。あーちゃんの場合、バランスが取れなくなる運動障害と水頭症による強い吐き気だった。あと、頭蓋内圧が上がると、明け方強い頭痛がするらしいので、明け方激しく泣いていたのは頭が痛くて泣いていたんだと考えられる。

こういう症状が出だした辺りで、旦那も私も何かいつもと違うという漠然とした不安感があり、かかりつけの小児科に連れていった。熱もないし、「吐いて機嫌が悪いだけだからきっと夏風邪でしょう」と言われ、吐き止めの座薬と風邪薬をもらって帰った。だけど不安感はなくならないどころか、これは何かおかしいと思う気持ちは膨らむばかり。たまたま旦那が仕事の都合で家を2日ほど空ける日があったので子供達を連れて実家に帰ることにした。帰る日の朝、あーちゃんをおんぶして荷造りをしていたら突然激しく嘔吐。授乳後しばらく時間が経っていたのに吐いたのはこれが初めてだった。胸がざわざわして、これは絶対普通じゃないと思った。すぐに実家に電話し、「町医者じゃ夏風邪と言われるだけだから大きな病院に連れて行きたい」と母に言うと、実家からも近い四国で一番大きな小児総合病院の受付がまだ間にあうと教えてくれたので、急いで準備して家を出た。

高速を降り、父にかーるを連れて一足先に実家に帰ってもらい、私はあーちゃんを連れて病院に。受付を済まし、看護婦さんの問診に答える。看護婦さんに「お母さん、赤ちゃんの大泉門っていつもこんなもん?」と言われ、触ってみると…あれっと思った。嘔吐が酷くて脱水を思ったけど、それなら大泉門はへこむはず。あーちゃんの大泉門は腫れていた。やはりおかしい、と思った。待っている間にまた嘔吐。絶対におかしい。あーちゃんの番はまだまだ先だったけど、これはすぐに診てもらわないと…そう思い、看護婦さんに白目を剥いてひきつけていると嘘をいい、すぐに診察してもらった。だけどやはり熱もないし夏風邪でわ?と言われる。そんなはずはない、大泉門を触ってくれと訴えると、先生が「あっ腫れてるね」と。「熱がないけどもしかしたら髄膜炎かもしれない。嘔吐も酷くて脱水っぽいから入院しますか?」と言われ、二つ返事。CTを撮るのも頼んだ。

入院の手続きをし、点滴をしてもらい、CTを撮ってもらう。髄膜炎だったら、まあ心配だけど熱も出てないし抗生剤打ったらそのうち治るだろうなんて軽く考えていた。結果はすぐに出ると言われていたんだけど、一向に連絡が来ない。忙しいのかな〜なんて思ってたんだけど1時間待っても誰も来ない。看護婦さんに何度聞いても先生はまだ来ない。

しばらくすると、若い女の小児科医が入って来た。「お母さん、検査結果が出ました。どうか驚かないで下さい。お子さんの頭に脳腫瘍が見つかりました。それもかなり大きいです。脳外科の方で急いで精密検査をし、明日にでも摘出手術をしましょう。」血がさーーっと引いていく音が聞こえた。先生達の説明を必死で理解しようとした。説明を一通り聞き、すぐに病棟を移動し、ICUに移ることになった。MRIの検査をに、血液検査に…。明日までのスケジュールを聞き、「お母さん、長い戦いになるかもしれませんが、最善を尽くします。」と言われ、先生の前で泣くつもりはなかったんだけど、「どうかよろしくお願いします」と言おうとしたら、視界がぶれて、声にならなかった。

投稿者 yuriko : 2004年07月25日 15:32

コメント

コメントしてください




保存しますか?