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2004年08月11日

強運の持ち主 1

7月26日月曜日、あーちゃんの腫瘍組織の病理結果が上がって来た。旦那は仕事を途中で切り上げ、病院に来てくれたので一緒に先生に結果を聞きに行った。診断結果は、「未分化上衣腫」というかなり稀なガンで、上衣腫なら治療方法はなくはないのだが、未分化のものは悪性度が高く、治療はかなり厳しいものがあると言われた。
「未分化上衣腫」は、全摘出できればかなり生存率はよいのだが、あーちゃんの場合は場所が悪くこのままの状態で全摘出は困難だ。全摘出ができない場合は放射線治療を行うが、これはまずまずの効果があるらしい。しかし放射線治療を3歳未満の乳幼児に行うのは重い知的障害を負う可能性があまりにも高いので、これは最後の奥の手に取っておきたい、と。残された方法は化学療法をし、腫瘍が小さくなれば手術で摘出するというものだが、「未分化上衣腫」においては今のところ有効な化学療法が無く、強い薬を使っても腫瘍の成長が止まる程度で小さくなることはほとんど望めないらしい。先生としては、できるだけ効きそうな抗癌剤を「下手な鉄砲数うちゃ当たる」的に使い、もしそれでも腫瘍が大きくなったらすぐに化学療法を中止し、命をかけた手術に踏み切るか、一か八かの大量化学療法をし、それでもだめなら奥の手の放射線を使いましょう、と。先生の顔には全く笑顔は無く、このまま腫瘍を取らなければあーちゃんは3年もたないと言われてしまった。

病室に戻るとニコニコのあーちゃんが。こんなに元気な子に効くかどうかも分からない薬を投与し、激しい副作用と戦わせないといけない、苦しい思いをしても助かる可能性はあまりに低い。涙が止まらなかった。重い気持ちで夜を過ごし、火曜日、化学療法を開始した。副作用に苦しみ、ぐったりする姿を想像していたが、予想に反してすこぶる元気なあーちゃん。拍子抜けした。次の日も薬を投与。嘔吐は出ないもののぐったり気味なあーちゃん。先の見えない不安に押しつぶされそうになり、泣いてばっかりだった。眠ってしまったあーちゃんを一人ぼーっと眺めていたら、指導医の先生が息を切らせながら満面の笑みで入ってきた。「話があるんだけど、お母さん時間いい?」と言われ、詰め所に向かう。何の話だろう…?と言われるままに席に着く。

投稿者 yuriko : 2004年08月11日 16:00

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