2006年04月26日
切ない選択
切ないよね、本当に。
苦しみを長引かせたくない、だけど延命措置をしなければその人はいなくなってしまう。
人間の尊厳って、一体何なんだろう?
機械や薬に頼って生きることでは尊厳は保てない?
潔く死を選ぶことで尊厳は保てるの?
本人はそれを望んでいたの?
家族の本当の気持ちは?
本人と家族の間に意思疎通はあったの?
本当のことは解らないまま、決めなければいけないシステムは、何かおかしいと思う。
あーちゃんは半年間、呼吸器を付けた状態で意識も無く、回復の見込みナシの状態で過ごしました。
あーちゃんの主治医の先生は、「呼吸器を外すことはできません」と、断言されました。
あーちゃんがお空に帰る数日前、初めて最後の延命措置をどうするか尋ねられました。
先生に聞かれる前に、既に旦那と相談はしてあって、「これ以上のことは望みません。延命措置は取らないで下さい。」と答えました。
答えるのが辛かったです。
やろうと思えば血液透析とか、強心剤、心臓マッサージなどで延命は可能だったんだろうけれど、これ以上あーちゃんを苦しめることはないと思いました。
あーちゃんは十二分に頑張りましたから。
でも…、あーちゃんは本当はどう思ってたんだろう?
摘出手術の後から呼吸は戻ることなく、全身麻酔をかけた時につけた呼吸器は外れることなく最後を迎えました。
殺人罪になってもいいから、取ってやった方があーちゃんは幸せなんじゃないのかな?…なんて、思ったこともあります。
最後まであーちゃんの意思は解らないままでした。
だけど、呼吸器が付いていたお陰で、あーちゃんは2歳になれました。
どこで何が吉と出るかは全く解らないのです。
吉と思うのは私の勝手で、実はあーちゃんは早くお空に帰りたかったのかもしれません。
全然解らないことを都合よく推測するしかできないことです。
そんな現状で、尊厳死って一体どんな意味があるんだろう?と、思ってしまいました。
ただ、私が個人的に思うことは、その人の命のともし火が消えるのを周りの人が見守ることも、大切なことなんじゃないのかなと思うのです。
とても苦しくて、悲しくて、切なくて。
耐えられないことです。
だけど、そうやって最後まで見守られた人は、最後まで人として見守られた人は、その過程がどんなに苦しくても人としての尊厳が保たれているような、、そんな気がします。
延命措置を取らない、いったん装着してしまった呼吸器を外すだけが尊厳ではないと思います。
思い上がりでしょうけど、命は最高のタイミングで帰って行くんです。
投稿者 yuriko : 2006年04月26日 22:41
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コメント
投稿者 YUTAの母 : 2006年04月26日 23:33
>命は最高のタイミングで帰って行くんです。
私もそう思う。
家族ってやっぱり繋がってて、
深いところで意思疎通がはかられていると私は思うよ。
その人その家族の選択でいいんじゃないかなあと思う。
あくまで私の意見だけどさ。
ゆりこちゃんを「すごい」とか「偉い」とかで括りたくないんだけど、私にとっては尊敬する1人の人間です。
うーん、言葉って難しいねー
投稿者 ゆり : 2006年04月27日 09:33
そんな選択をしなければならないことになるなんて、露にも思っていませんでした。今でも忘れられない辛い記憶です。うちの家族だけがICUへの自由な出入りを許可されていたのも悲しかったです。ICUから退院していく人を見て、どんなに羨ましかったことか。
私も何がいいのかわかりません。もう1年半経ちますが、未だにその辺は冷静に判断できません。
投稿者 AT : 2006年04月27日 12:49
YUTAの母さん
こんばんは!こちらにまで足を運んでいただきありがとうございます!
延命はとても難しい問題で、どっちが正しいとか悪いとかはないんですよね。。
あーちゃんのことで思ったことは、意思疎通ができなくなってしまった人は、家族のために生きてくれているのかなぁなんて。
残された家族が、一番幸せに過ごせて、その人にとって最善のことだと家族が思えばそれが正しくなるんじゃないのかなぁなんて。
投稿者 ゆりこ : 2006年04月28日 22:36
ゆりさん
なんか、不思議な話だよね。
大雑把に言えば、遺伝子を繋いでいくためだけにある生命だけど、そこには大きな意味と意思があるんだから。
結局意識っていうのは深い深い根底では皆つながってるのかな。
なんか宗教っぽくなってきたんでやめやめ〜(笑)。
投稿者 ゆりこ : 2006年04月28日 22:39
ATさん
そうですよね。。誰も予想なんてしてませんよね。
ICU、羨ましかったです。
あーちゃんより後に入った子が個室に戻って行くのを見ては悲しくて泣いてました。
こんなはずじゃなかったのに…って、何千回、何万回思ったことでしょうか。
メールしますね。
投稿者 ゆりこ : 2006年04月28日 22:42
ゆりこさん、こんばんは。
わたしのブログにおいでいただいてありがとうございました。
「延命」本当に難しいですよね。
うちのムスコは事前に最悪の事態で「呼吸器」を
つける可能性もあると先生の話でありました。
でも、酸素を送る程度で最期を迎えました。
心臓マッサージで一度蘇生しました。
そのおかげで、家族全員で看取ることができたのです。
何が正しくて何が悪だとか、本当にわからないです。
ゆりこさん、お仕事されていてたいへんですね。
無理なさらないでくださいね。
また遊びに来ます。